列車内のよろず世話係
2023年12月に、タイのチェンマイからピッサヌロークまで列車を利用しました。６時間強の旅でした。ユニークだと思ったのは、車内に車掌のほかに1人「サービス係」がいたことです。見た範囲では、車掌は切符と座席のチェックが専門の仕事のようでした。下の青い服を着た中年男性が、乗ってくる人に座席を案内したり、大きな荷物を置く場所を考えて処置してくれたり、飲食物の販売やその中のカップラーメンへのお湯入れ、駅に着く前のアナウンス、果ては、ごみの回収、車内の掃き掃除までしていました。簡単な英語も話せます。私は乗ったとき、大きなスーツケースを置く場所に困っていたのですが、この方が、最後部席の空いた場所に私と同じような荷物を置いていた欧米系のカップルと交渉して、その人たちの荷物を少しずらし、私の荷物を入れられるようにしてくれました。感謝の意も含めて紹介します。日本は全体としてサービスがいい(確かに新幹線が到着してから、次の列車に変えるための組織的な車内清掃は素晴らしい!)、と言われているにもかかわらず、合理化のため新幹線での車内販売が無くなっているなどしていますが、ほんのり温かな「おもてなし」を感じたひとときでした。私は別のページで「タイはまだ人に優しい経済ではなく途上国だ」と書きましたが、この係の存在においては、とても人に優しい先進国です。こんな人がいたら、日本の車内で刃物を振り回したり、火を付けたりするような事件が起きる確率は減るでしょう。
青い服を着た人が、車内のサービス係
