ヴァージニアへの入植
1607年、メイフラワー号のアメリカ到達の13年前に、イギリスの「ヴァージニア・カンパニー」(民間投資家により設立され、北米の投資と貿易の独占権をもつ会社)がその利潤獲得のため、アメリカに105名の少年も含む男たち(１人は航海中に病死)を送った。彼らは３隻の帆船でやって来て、ジェームズ川沿岸の碇を深く下ろせるところに上陸した。そしてイギリス初の常住の植民地「ジェームスタウン」を建設し、タバコ栽培などで利益をあげ、やがてこれが後のヴァージニア州、ひいてはUSAの基礎の一つとなったのである。
ジェームズタウン・セトゥルメント(ネイティヴ・アメリカンの項参照)には、そのときの３隻の帆船を復元したものと、「ジェームス砦」の復元がある。
旗艦は「スーザン・コンスタント号」(120t・54人乗り。上の写真)、他は「ゴッド・スピード号」(40t・39人乗り。下左の写真)と「ディスカバリー号」(20t・12人乗り。下右の写真)であった。特に「ディスカバリー号」は小さく、よく大西洋を横断できたものだ。
船は約５カ月の航海をした。人々は狭い船内に詰め込まれ、床にマットを敷いて寝た人も多かった。食糧事情や衛生状況も悪かった。雇われた船乗り以外の人々は、カード・ゲームなどをして時間をつぶした。
スーザン・コンスタント号の船内。このようなキャビンで寝られたのは富裕な人。大砲も装備していた。ちなみに、「ゴッド・スピード号」は1985年に実際にイギリスからヴァージニアまで航海したそうである。