陝西(せんせい)省歴史博物館の至宝で唐の生活をしのぶ
西安市にある博物館で、陝西省のみならず、全国からの出土品を約11万3000点収納し、3000点を展示している。石器時代から時代順に展示していてわかりやすい。また、地下に収蔵されている唐墓壁画以外は写真撮影自由でありがたい。唐の時代の金属製品、唐三彩と呼ばれる焼き物、瑪瑙(めのう)製品、そして壁画の複製品などにより、唐の時代をしのぶことにしよう。
金属製品
アヒルと蓮の花弁のデザインの金椀
左から花のデザインの金杯、楽士のデザインの金杯、同じモチーフの銀杯、狩りと仕女のデザインの銀杯
踊っている馬のﾃﾞｻﾞｲﾝの銀の壺
金貨の「開元通宝」
青銅の龍
唐三彩製品
素地に純白色の粘土を用い、透明釉(ガラス質の光沢を出すうわぐすり)地に緑釉（銅の化合物）、褐釉（鉄の化合物）、藍釉（コバルトの化合物）を塗って鮮やかな緑、褐色、藍色を出す。唐代には、貴族の墓に副葬したため、多くの家財を模したものや、俑(よう。人形)が作られた。(小学館『日本大百科全書』などによる)
鮮やかな緑の壺と、ペルシャ伝来を思わす龍首の水差し。四つの取っ手のついた壺
ほっぺたのふっくらした女性が美人だった
傘をかぶったり布で顔を覆ったりして乗馬した女性
天王俑と楽人たちを乗せたラクダ
瑪瑙(めのう)製品
瑪瑙獣首杯
唐墓壁画(レプリカ)
地下室の本物の壁画は、当然だが土にまみれてくすぶった色をしていた。右上へのラインは墓の中へ斜めに下っていく壁に描かれていたためである。
章懐太子墓の壁画、第3代高宗の皇太子にたてられたが、母の武后と合わず、武后の寵臣が強盗に殺された事件の犯人とされ、地位を追われ、後自殺を強要された。
これは、迎賓図と言われ、左側の唐の外交担当官に対し、右側の3人の別々の国の使者が皇帝への謁見を乞う様を表しているという。
同墓壁画。狩猟出行図
これは、陝西歴史博物館ではなく、永泰公主(えいたいこうしゅ)墓の壁画。彼女は、第4代中宗の娘。701年、17歳のときに，夫が則天武后の寵臣を誹謗し排除しようとしたため、権力者の祖母武后の怒りを買い、連座させられ死を強制された