先進国? 途上国?
フリー画像より
御覧の通り、バンコクは高層ビルやタワーマンションがランダムに散在し、あちこちが新宿駅西口ビル群、六本木、東京駅周辺のようになっています。また自動車もたいへん多く、バイクも少なくありません。自転車はほとんど見かけません。確かに、有名なトゥクトゥク、窓のない乗り合いバスであるソンテオも走っていて、私も乗りましたが、それらはもうほんの一部です。要するに、バンコクは、高層ビル群、自動車の多さ、高速道路網、スマホ普及など、概観は「先進国」と言ってもいいでしょう。確かに雑然とした庶民の町並みもあります。でもそれは東京なども同じこと。ひょっとしたら大都市景観では東京を追い抜いているのではないか、とも思いました。ここまでに至ったのは、日本企業など海外企業の進出も大きかったとガイドは言っていました。しかし、です。日本の都市との決定的違いは、「自動車優先」ということです。そもそも自動車用信号の数は少なく、歩行者用信号に至っては極めて少ないのです。横断歩道すら無いところが多かったです。じゃあ歩行者はどうするか、結局遠回りして信号のある所を渡る(それも青信号になって渡り始めても渡り終わるまでにすぐ赤信号になります)か、現地の多くの人がやっているように走行している自動車が来ないときを見計らってさっと横断するしかありません。自転車なんてこれでは危なくてとても走れません。それからこんなに危険なのに、バイクに乗っている人の多くはスピードを出しているにも関わらず、ヘルメットをしないで二人乗り、場合によると小さな子どもを前や真ん中にして三人乗り、見ているこちらの方が冷や冷やしてきました。当然、お年寄りや障害のある人、小さな子どもたちにとっては「人に優しく」ありません。残念ながら、その点で、私はタイはまだ「先進国」とは言えないと思いました。
左の写真の人は、横断歩道でないところを、黄色とピンク色の動いている自動車が通り過ぎるのを待って渡ろうとしている。右の二人乗りはミニバイクだろうがかなりスピードを出していた。後の女性などあの座り方で大丈夫なのか。とこちらが心配になる。
それから、これはタイに限らず、ヨーロッパの一部の国々でもままあることですが、下水設備が不十分なためか、あるいは紙の質が悪いのか、ほとんどのトイレの紙を使うところで「紙は便器に流さず脇にある箱に入れよ。」という表示が出されています。チェンマイなど高級ホテルにはお尻洗浄機まで付いているところがありますが、これはごく例外。社会的インフラや製品の質の問題があるような気がします。この点でもまだ途上国でしょう。
また、バンコクはじめ各地でタイの人はマスクをしています。現地の日本人が言うには、「コロナ対策のためより、排気ガスがひどいためだ。」とのこと。環境問題をめぐって先進国と途上国との意見対立はありますが、環境を整え、他国に環境対策で支援するようにならないと「先進国」ではないでしょう。
