５．３事件（済南事件）の碑
済南市内の「環城公園」の入り口に「５．３事件」の記念碑が立っている。
当時の中国は、1911年の辛亥革命で清王朝が崩壊したものの、各地に軍閥という勢力が覇を競い合う内乱状態であった。この中で、革命を起こした孫文の遺志を継ぐとして、国民党の蒋介石が広州に勢力をもち、1926年から、中国統一、北京支配をめざして戦いつつ北上して行った。「北伐」という。日本は、1914年の第一次世界大戦に際し、日英同盟を理由にイギリス側三国協商に付き、ドイツに宣戦。その勢力地山東半島を占領し、さらに「二十一箇条の要求」を中国袁世凱政府（北京支配）に突きつけ山東省のドイツ利権を継承した。だが、戦後の1921年からのワシントン会議で米英と中国の力の前に利権を返還した。しかし、山東省には、済南の2000人など居留日本人が残っていた。時の田中義一内閣は、1927年から２回にわたって、「北伐軍から山東居留日本人を守るため」として「山東出兵」を行った。そして、ついに1928年５月３日、済南で日中両軍が戦闘状態に入り、5000人以上の死傷者を出した。これが中国側では「５．３事件」、日本の歴史教科書では「済南事件」である。
碑の裏側にもう一つの絵の碑がある。何を訴えたいのかはわかる。
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