バカンス中もやっていたミシユランガイド★★堪能
フランスに行くからには、ミシュランガイドに載っているレストランで食事をしてみたいと思っていたが、私の行ける8月はバカンス真っただ中。1カ月も休む店がほとんど。何とかパリに詳しい人に調べてもらった。それで、開店していて、さらに10日前で予約が取れた店は二つ星レベルで二つであった。三つ星の店も1軒あったが、キャンセル待ちだったので断念。一軒目は、シャンゼリゼから南に入ったジョルジュ・サンク通りのフォーシーズンホテル内の「Le Cinq」(ル・サンク)。
シックな感じの店内だった
予約してある旨を伝えると、スタッフはニコニコ顔で、歓迎してくれ、その後も頼んでいないのに、「日本語メニュー」まで持って来てくれるなど、全体的にたいへんサービスがいいと感じた。奢りのようなものは全く感じなかった。私は、このような店に行った時は必ず店のお薦めを聞くことにして、その説明の情熱度がメニュー選択の決め手となることが多い。毎日ホテルのバイキング朝食で、ハムやソーセージという肉食をしているので、肉以外のものを希望した。店のお薦めは、オードブルとしてフォアグラ、メインの魚は天然の鯛だと一生懸命英語で説明したので、それらにすることにした。食前酒としてシャンパンを飲んだ後、最初に出たアヴァン・アミューズ(前アミューズ・ブーシュ)はサーモンの燻製など。次のアミューズ・ブーシュは、メロンのムースなど。このメロンのムースが美味しかった。
そして、お薦めの「ランド産鴨のフォアグラ・エルダーベリー(西洋ニワトコ)とイチゴのソースetc」が来た。表面をカリカリに焼いたものだったが、一口食べて「美味しい!!」と感じ、「これがミシュラン★★か!」と思った。全く生臭さがなく、口に入れるとうま味のあるやや甘味のクリームが溶けるようで、酸味果汁のソースと、そして合わせるよう薦められたイタリアのエルバ島の甘口赤ワインAleatico Passitoと、甘味、酸味が交互に繰り返して感動した。
たいへん美味しかったフォアグラ
そして、メインの「小舟で釣った天然の鯛・パラモス産エビとガーリック風味の小イカのマリネ添え」が来た。鯛はブリブリして美味しい。ただし、ソースや付け合わせに酸味があったことと、薦められたドイツの白ワイン、Riesling Berg Roseneckが私にはあまりインパクトがなかったので、フォアグラほどの感動は無かった。まあ、1人で行ったので、テーブル・グラスワインとして用意してあるものを出されたので止むをえないが。
ここでブルーチーズのロックフォールを食べ、デザートとなった。フォアグラも鯛もソースが酸味系の味で、また予想よりも料理の量が少な目だったので、しっかり、甘いアイスクリームが食べたくなった。それで、頼んだのが「アイスクリームとシャーベットの盛り合わせ」。でこれを食べてもまだもう少しアイスクリームが食べたかったので、2皿目のデザートとして、別の「アイスクリームとシャーベットの盛り合わせ」も頼んだ。
1皿目のバニラアイスクリームと何かのベリー添え
2皿目の、バニラ、ココナツ、チョコレートのアイスとラズベリーのシャーベット。各種ベリー添え
総じて、ここの店で印象に残ったのは、フォアグラと甘口赤ワイン、最後まで丁寧な心地よいサービス、そして今回は、結果としてちょっとベリー過多・酸味であった。でも、行っただけの価値はあり、また行ってみたいと思った。
二軒目は、凱旋門のすぐ近くのシャンゼリゼ通りにある、「L'Atelier de Joel Robuchon ETOILE」(ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション・エトワール)。サン・ジェルマン店で成功した店の2号点である。日本の六本木ヒルズなどにも店を出している。この店はテーブル席もあるが、カウンター席が30席くらいあり、そこから調理の様子を見られる、というのが売りのフランスでは新しいスタイルの店である。
この地下にレストランがある。
カウンター席
食前酒としてシャンパンを飲んだ後、最初に出たアヴァン・アミューズ(前アミューズ・ブーシュ)は、フォアグラのムース。
次のアミューズ・ブーシュは、トマトのスープ・(甘くないアイスクリーム添え)
オードブルには、海老をパリっと揚げたものに緑の(何かは忘れました!)ソース添え。サクサクとして美味しかった。
メインは「Hamachi」の「Teriyaki」。実際は何のソースだったかはよく覚えていない。なお、ワインはテーブルワインのようなもので、記憶にない。私としては、前掲の「サンク」の方が印象に残った。
今までの料理が量としては少な目だったので、結果的にデザートを2つも頼んでしまった。1皿目は「Mikado」なる名前の、コーヒー味のアイスクリーム、キャラメル味のムース、チョコレートムースの盛り合わせ。金箔を付けているのが印象的。「黄金の国ジパング」のイメージか。
2皿目は、ラズベリーのシャーベットに「Yuzu」入りソース。
この店は、「Hamachi」「Teriyaki」「Mikado」「Yuzu」など、日本を意識した材料、ネーミングが印象的だった。サービスは、英語を話せる男性スタッフが初めは愛想良かったが、次第にカウンターを囲む客が増えていくと、私の方にはなかなか向いてくれなくなったのが残念だった。
バカンス中という制約の中でのミシュラン★★の一端に触れた、いい経験だった。いずれバカンスでないときに行き、もっといろいろな店を探訪したい。
